住宅のベランダや陸屋根の屋上などでは防水工事をして、建物を雨水の侵入から守っています。
防水工事にもいくつかの種類があり、なかでもウレタン防水やFRP防水などの塗膜防水は「トップコート」で仕上げることが一般的です。
では「トップコート」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
今回は防水工事の「トップコート」について解説したいと思います。
トップコートとは?
トップコートとは、防水工事における仕上げに塗る塗料のことです。
防水層を形成し、その上に仕上げとしてトップコートを塗装するわけですが、おもに防水工事の最終工程になります。
トップコートの重要な役割は、以下の通りです。
- 見栄えを整える
- 劣化を抑制する
- 機能を向上させる
見栄えを整える
トップコートは、仕上げ塗装として見栄えを整えることが重要な役割になります。
美しく塗装することで、見た目の印象を高めることが可能です。
また定期的に塗り替えることで、美しい外観を維持できます。
劣化を抑制する
防水工事では、防水層が水分の侵入を食い止める機能をしっかりと果たさなくてはいけません。
しかし防水層は、常に紫外線などの外的な刺激を受け続ける過酷な環境にあることから、経年とともに必ず劣化します。
この防水層の劣化進行を抑制することがトップコートの重要な役割になります。
つまりトップコートを仕上げに塗装することで、紫外線などの劣化要因がその下層にある防水層へ作用することを緩和しているわけです。
そしてベランダや屋上の防水は、トップコートから劣化が始まります。
トップコートの劣化が見られる場合は、防水層に影響が広がらないようできるだけ早めに塗り替えをすることが重要なメンテナンスになります。
機能を向上させる
トップコートの種類によっては機能性を持たせたものがあります。
そのひとつが遮熱機能です。
遮熱とは太陽光の反射率を高めることで、表面温度の上昇を防げるという機能になります。
建物の躯体は、温度が上昇すると膨張し、さらに夜間に温度が低下すると逆に収縮するなど伸縮する動きを繰り返します。
このような動きも防水の劣化を促しますが、遮熱性を高めることで躯体の伸縮も抑えられ影響を受けにくくなるのです。
そして防水の表面温度の低下は内部温度の低下にもつながるため、とくに夏の季節には省エネ効果も期待できるでしょう。
まとめ
トップコートは防水層を守る重要な役割があります。
防水層が劣化して防水機能が失われると、雨水が侵入して雨漏りを起こしたり、構造を腐らせたりするなど深刻な事態に陥ることもあります。
ところがトップコートを定期的に塗り替えるだけで、ベランダや屋根の防水を長持ちさせることが可能です。
このことは建物の寿命を守るためでもあります。
トップコートの劣化が見られるようなら、積極的にメンテナンスを検討してみてはいかがでしょうか。