塗料の耐用年数を示す「耐候性」を解説

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塗装工事を考えられている方の一番気になることは「どれくらい長持ちするのか?」ということではないでしょうか?

しかし、色々な塗料の製品カタログには「耐候性、耐久性、期待対応年数、塗り替え目安など」様々な表現を使われていますが、ほとんど同じ意味合いになります。

今回はこのような長持ちの割合を示す「耐候性」について、ご紹介します。

悩まれている方の参考になれば幸いです。

耐候性とはそもそも何の性能なのか?

ズバリ一言で言えば「塗料の耐用年数」です。

JIS(日本工業規格)では、「屋外環境で太陽光、 雨などの自然の作用に対して変化しにくい性質」と定められており、塗料の主な劣化要因は「紫外線、熱、水」の3つが挙げられます。

しかしながら、新しく塗料を開発して10年近く屋外での観察を行えません。そのため、試験機で擬似的に10数年分の「紫外線、熱、水」によって劣化させます。

その時の劣化状態を確認して、塗料の耐候性(◯年相当)という数値を算出します。

塗料の耐候性には、注意点もある!

1点目は、公になることは少ないことですが、「耐候性試験ではチョーキング現象は確認できません」。

理由として、常に水を吹き掛けているため、チョーキングの粉が洗い流されてしまうからです。

各塗料の◯年相当よりも早くチョーキング現象が発生する可能性はあります。

2点目は、「各塗料の耐候性の年数は目安であること」です。具体的に想像しやすいこととしては、「車の燃費」と思ってください。

試験走行では、一定速度・整った道路環境など好条件で試験をした燃費の数値を掲載し、実際の道路ではそれほどの良い結果は期待できないと思います。

塗料も一定の厚み、正しい乾燥状態で試験を行いますが、実際の工事では職人が手塗りで厚みのばらつき、天候の影響なども受けながらの塗装になるからです。

※チョーキング現象…塗装されている箇所を触ると色が付着する現象

耐候性が高い塗料

様々な塗料がありますが、高い耐候性を持つ塗料をご紹介します。

変性無機塗料

最高峰の耐候性を誇る塗料です。薄いガラスを塗るようなイメージです。硬いガラス成分と柔らかい樹脂を混ぜ合わせているため、多少の動きでは割れない塗料です。

フッ素塗料

フライパンなどに使われるテフロンで同じ樹脂を採用している塗料です。無機塗料程ではないですが、塗料の中ではトップクラスの耐候性を有します。

シリコン塗料

最もスタンダードな塗料です。塗料の性能と価格のバランスが取れた人気な塗料です。

ウレタン塗料

外壁や屋根に使われることは少なくなってきており、樋などの付帯部には採用される塗料です。

アクリル塗料

直射日光が当たらない軒裏や内装などに使われる塗料です。

まとめ

塗料の耐候性について解説しました。

塗料の耐候性は「車の燃費」と同じように目安と思っていただければと思います。

その他の塗料の性能には、低汚染性、遮熱性、断熱性など様々あります。

どのような塗装工事にしたいのかを相談しながら、希望の工事にしていただければ幸いです。