夏の暑さを軽減する「遮熱性」を解説

塗料について

例年の夏は熱中症の方が多く、物凄い暑さが続いており、なんとかしたいと思われている方は多いと思います。

特に子ども部屋が多い2階は1階よりも高温となるので、非常に気になりますよね。

最近、人気が急上昇している暑さ対策として「遮熱塗料」が挙げられます。

遮熱塗料は、太陽光の赤外線を反射することで、屋根表面温度を低下させることができます。

そうすることで室内のもわっとした熱気が和らげることができ、クーラーの効きがよくなり室内環境を快適にすることができます。

今回は、夏場の生活を快適にする遮熱性についてご説明いたします。

1.遮熱性とは?

太陽光の近赤外線が物体に照射されると、そのものの温度を高くする性質があります。

遮熱性は、その近赤外線を「遮熱顔料」「色」によって反射させることで発揮させています。

皆様も御存知の通り、黒色は熱を吸収する性質を持ち、白色は熱を反射させます。

2.遮熱塗料の塗装後の効果

遮熱効果は、白色系塗料の方が高い効果を示します。

日本の屋根は基本的には濃色が多くなっているため、夏場の日中は表面温度が60~70℃にもなります。

白色系遮熱塗料を塗装することで表面温度を約20℃程度下げることができます。黒色系遮熱顔料の場合であれば、従来の黒色系塗料よりは表面温度で約10℃程度の低下が見込めます。

しかしながら、周りの建物を見渡しても白色の屋根を目にすることは少ないと思います。やはり、見た目を意識すると「濃色」で塗替えを希望する方が圧倒的に多いのが現状です。

そのような「濃色塗料」で遮熱効果を発揮させることができるものが「遮熱顔料」です。

この遮熱顔料を使用することで、濃色塗料の太陽光の反射する割合を向上させることができます。

そのため、「見た目」と「遮熱効果」を両立することができる画期的な性能となります。

3.遮熱効果の高さは「日射反射率」を確認する

遮熱効果を示す割合として「日射反射率」という数字があります。

この数字は、塗料の色によってどの程度、太陽光を反射する事ができるのを表しています。

数字が100%に近いほど太陽光を反射することができ、0%に近いほど太陽光を吸収する性質があります。

高い遮熱効果を示す白色系の遮熱塗料では、80~90%程度の反射率がありますが、黒色の遮熱塗料だと40%程度の反射率となります。

一般的な遮熱塗料ではない黒色塗料だと数%程度の反射率になりますので、ほとんどが吸収されます。

4.遮熱塗料の注意点

日本の屋根で塗装されるのは「黒系」が多いということで話をしていますが、従来の黒系塗料と比較すると遮熱効果が高いということであり、一般的な白色系塗料よりも遮熱効果は低い傾向になるということをご認識いただきたいと思います。

5.まとめ

遮熱効果について説明をしてきましたが、建物は屋根以外にも外壁・窓・ドアなどによる空気の入れ替わりによって、熱の出入りが発生します。遮熱対策を希望される場合は、外壁・窓などの部位も留意していただければ幸いです。