住宅で使われる外壁仕上げ材には多くの種類があります。
外壁は常に、風雨や紫外線など外的な刺激を受け続ける過酷な環境にあるため、さまざまな機能が求められます。
厳しい環境に耐え、暮らす人の生活を長く守るためには外壁選びは重要なポイントになるでしょう。
今回は、住宅で使われる外壁の種類とその特徴について解説したいと思います。
外壁の種類と特徴について
外壁仕上げ材の種類にはいくつかありますが、今回はおもに次の4種類についてご紹介いたします。
・サイディング
・モルタル
・タイル
・ALC
サイディング
住宅の外壁で高いシェアを占めているのはサイディングです。
サイディングにも4つの種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。
窯業系サイディング
セメントと木質繊維を混ぜ合わせて成型した外壁材です。
サイディングのなかで最も多いのはこの窯業系サイディングになります。
・メリット
材料コストが安い
デザイン性に優れる
・デメリット
重い
吸水しやすい
金属系サイディング
金属系サイディングは、ガルバニウム鋼板やアルミなど金属板を成型し、内部に断熱材を充填した外壁材です。
窯業系サイディングに次ぐシェアになり、リフォームで採用されるケースも多く見られます。
・メリット
耐久性が高い
軽い
・デメリット
塩害が生じることがある
衝撃でへこむ
樹脂系サイディング
塩化ビニール樹脂を原料とする外壁材です。
日本ではまだ実績が少ないですが、アメリカでは最も普及しているタイプになります。
・メリット
耐久性が高い
塗装、シーリングの必要がない
・デメリット
バリエーションが少ない
耐火性に劣る
木質系サイディング
天然の木材を成型した外壁材です。
防火法などの規制もあってあまり普及していませんが、近年では防火や耐火の認定を取得したものも増えています。
・メリット
無垢材特有の風合いがある
断熱性に優れる
・デメリット
メンテナンスがたいへん
水に弱い
モルタル
モルタルとはセメントと砂、水を混ぜ合わせたもので、住宅の外壁では塗装などで仕上げます。
サイディングが普及するまでは、モルタルが主流の仕上げ方法でした。
・メリット
形状に関係なく継ぎ目ない仕上げができる
防火性に優れる
・デメリット
ひび割れしやすい
工期がかかる
タイル
タイルは主原料となる粘土を加工してつくった外壁材です。
タイル本体は無機物であることから劣化しにくく、外壁だけでなく内装や水回りなど住宅の仕上げ材として幅広く採用されます。
・メリット
耐久性が高い
メンテナンス性がよい
・デメリット
材料コストが高い
目地材や接着材などは劣化する
ALC
ALCは珪石やセメントを主原料とし、オートクレーブという特殊な処理を施した軽量気泡コンクリート外壁材です。
性能の高さと独特の外観が特徴で、おもに塗装などで仕上げます。
・メリット
軽い
防火性、断熱性、遮音性に優れる
・デメリット
材料コストが高い
吸水する
まとめ
外壁仕上げ材には多くの種類があり、それぞれ特徴や耐久性も変わります。
しかしいずれもメンテナンスが必要になるため、適切なタイミングでコンディションをチェックすることが重要です。
そして劣化の状況に応じた措置をとることで、家族が安心して暮らせる住まいを守ることにつながるでしょう。