マンションの屋上防水は、劣化しやすい部位のひとつになります。
というのも、常に太陽光をダイレクトに受け続けていること、そして雨水がたまることなど、非常に過酷な環境にあるためです。
屋上防水は、目にする機会が少ないこともあって劣化の進行に気が付かないケースも珍しくありません。
しかし屋上防水の劣化は、雨漏りや耐久性の低下につながることもあり、コンディションをチェックしながら機能を維持し続ける必要があります。
では、機能を長く維持するにはどうすればよいのでしょうか?
今回は、屋上防水の適正な機能を長く維持するコツについてご紹介したいと思います。
屋上防水の種類と耐用年数について
屋上防水にはいくつかの種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。
耐用年数を目安として、劣化状況に応じたメンテナンスをする必要があります。
屋上防水のおもな種類と耐用年数は以下の通りです。
・塗膜防水(ウレタン防水、FRP防水):10年程度
・シート防水:10~15年程度
・アスファルト防水:15~20年程度
屋上防水を長く維持するコツとは
屋上防水を長く維持するための方法についてご紹介いたします。
まず屋上防水は、非常に過酷な環境にさらされ続けていることから、経年とともに必ず劣化することは知っておく必要があります。
そのため、不測の事態に陥ることのないよう、積極的にコンディション維持を図ることが重要です。
屋上防水を長く維持するおもな方法とは以下の3つです。
・トップコートの定期的な塗り替え
・排水ドレンの掃除
・定期点検の実施
トップコートの定期的な塗り替え
ウレタン防水やFRP防水など塗装防水は、下地面に防水層を形成し、その上にトップコートを塗って仕上げます。
したがって、太陽光や風雨などの刺激を多く受けているトップコートが最も劣化しやすいのです。
下層の防水層にまで劣化の影響が拡大する前にトップコートを塗り替えることで、保護機能も長持ちします。
およそ5年ごとを目安にトップコートの塗り替えを検討するとよいでしょう。
排水ドレンの掃除
屋上防水は、雨がふったときには一旦雨水を受け、排水ドレンから排出する構造になります。
ところが、排水ドレンにゴミがたまっていると適切な排水が行われません。
そうなると長期にわたって水たまりができる状態が続き、排水ドレンが錆びたり、あるいは雑草が生えたりするなど、劣化の進行を早めることにつながります。
またこれらの現象はいずれも雨漏りを起こす原因になるため注意が必要です。
排水ドレンは、定期的にチェックして掃除をすることで、水たまりができる状態をつくらないようにしましょう。
定期点検の実施
屋上防水は、状況をあまりチェックすることが少ない傾向にあります。
つまり、劣化の進行やゴミがたまっていることにも気づきにくいということです。
しかし屋上防水の不具合は、雨漏りを起こしたり、場合によっては建物の耐久性を損ねたりすることもあります。
それだけ重要な機能を担っているため、優先的に点検を実施し、状況に応じて必要なメンテナンスをすることが重要です。
まとめ
マンションの屋上防水は、他の部位と比較しても劣化しやすいことから十分なケアを心がけることが重要です。
できるだけ長持ちさせるためにも、まずは排水ドレン周辺の掃除から始めてみてはいかがでしょうか。
そして塗膜防水は、トップコートのコンディションをチェックしながら、こまめに塗り替えることをおすすめいたします。