梅雨の雨が、外壁や屋根にダメージを与えることはご存知でしょうか?
というのも、雨は外壁や屋根の塗装を劣化させる要因のひとつであるためです。
塗装の劣化は、徐々に水分を内部へと侵入させるようになり、場合によっては不測の事態に至ることもあるなど、必ず注意しておきたい現象です。
今回は、梅雨の雨が外壁や屋根の劣化を促し、建物にダメージを与えるメカニズムとその対策について解説したいと思います。
塗装にとって雨は重大な劣化要因!
塗装にとって雨は重大な劣化要因になります。
空気中には、排気ガスなど多くの汚染物質が含まれています。
汚染物質は外壁や屋根に付着しますが、一部は雨で流され、一部は表面の凹凸などに堆積して残ってしまうのです。
そして、サッシや庇など外壁より出っ張った部分には常に汚れがたまりやすく雨がふると筋状の雨だれとなってこびりついてしまうこともあります。
汚れのなかには、塗料成分と化学反応を起こしたり、あるいは熱をもったりするものもあるなど、これらの現象が劣化を促進させる原因になるのです。
また屋根や外壁で酸性雨がふったり乾燥したりを繰り返すと、そこで酸性成分が濃縮されて塗装面に影響を及ぼすことがあります。
さらに雨は、カビやコケ、藻などの生育を促す環境になりやすい点でも注意が必要です。
とくに日光が当たらない面では、カビやコケ、藻などは根を張って増殖し、常に湿気を含んだ状態が続くことで劣化は加速します。
塗装の劣化は、屋根材や外壁材が水分を吸収してもろくなり、徐々に多くの水分を侵入させるようになります。
そこから建物内部に及ぶと雨漏りにつながり、また構造部分が濡れて腐ると耐久性を損ねてしまうのです。
以上が、雨によって建物がダメージを受けるメカニズムになります。
建物のダメージを抑える効果的な対策とは?
雨が建物に与えるダメージを抑えるには、いくつかの方法があります。
おもな対策は以下の通りです。
- 清掃
- 点検
- 再塗装
清掃
まずは清掃です。
ホースで外壁などについた汚染物質などを洗い流すだけでも効果は得られます。
水で落ちない汚れは、中性洗剤を使ってスポンジで優しくこすります。
強くこすったり、高圧洗浄を使用したりすることは、塗装が剥がれるため避けなければいけません。
1年に1~2回、おもに梅雨明け後(2回実施するなら+その半年後)に実施するとよいでしょう。
点検
屋根は外壁の劣化状況を把握するには、点検を行う必要があります。
1年に1回の自己点検と、数年に1回の専門業者による定期点検を実施するとよいでしょう。
また地震や台風が発生したあとは必ずチェックし、破損しているようなところはないかチェックすることも重要です。
再塗装
劣化症状によっては、基材が傷む前に再塗装を検討するとよいでしょう。
また、シーリングは塗装よりも劣化が早いケースもあり、場合によっては足場設置をして全面的なメンテナンスするほうがよいかもしれません。
というのも外部のメンテナンスは足場の設置が必要になるため、一元的な管理をしておくとコストのムダを省けることがその理由です。
まとめ
梅雨の雨は、外壁や屋根の劣化要因になります。
梅雨が明けたら、雨漏りの原因になる外壁の破損や塗装剥がれ、シーリングの破断などがないか外部のチェックをしてみるとよいでしょう。
また、劣化が進行して不測の事態に陥る前に、外部点検やメンテナンスを検討してみてはいかがでしょうか。