台風前にマンションの屋上防水でチェックしておきたい2つのポイント

屋上防水 防水工事

マンションの屋上防水は、建物を守る重要な役割があります。
しかし劣化が進行すると防水機能も徐々に衰え、建物を守れなくなるときがやってきます。
また台風など強風や大雨の影響を受けることがあると、リスクはとくに高まるため何らかの対策が必要です。
今回は、屋上防水のおもな種類と台風前にとくにチェックしておきたいポイントについて解説したいと思います。

屋上防水の3つの種類

マンションの屋上防水には、以下の通り大きく3つの種類があります。
・塗膜防水
・シート防水
・アスファルト防水

塗膜防水

塗膜防水とは、液体状の防水材料を塗り重ねて形成する防水層のことです。
継ぎ目のない仕上がりや、複雑な形状をした場所への施工も有効であることなどがおもな特徴になります。
また塗膜防水は、ウレタン樹脂を使った「ウレタン防水」とガラス繊維強化プラスチックを使った「FRP防水」などの種類があります。

シート防水

シート防水とは、シート状の防水材料をつなぎ合わせて形成する防水層のことです。
広範囲を一度にカバーできることから短い工期で施工できることや、比較的低コストでできることなどがおもな特徴になります。
またシート防水には「ゴムシート」と「塩ビシート」などの種類がありますが、厚く耐久性の高い「塩ビシート」のほうが主流となっています。

アスファルト防水

液体状の溶解アスファルトとアスファルトシート張り重ねて形成する防水層のことです。
防水性や耐久性など性能面に優れることや、また古い歴史があり非常に信頼性が高いことなどがおもな特徴になります。
アスファルト防水は、使用する材料によって「熱工法」や「常温粘着工法」、「トーチ工法」などがあり、施工環境によって使い分けが可能です。
またその他にも屋上の用途によって、防水層が露出した「露出防水仕上げ」や「押さえコンクリート仕上げ」などもあります。

台風前にとくにチェックしておきたい2つのポイント

マンションの屋上防水は、台風が来ると強風や大雨の影響で雨漏りなど不測の事態に陥ることがあります。
しかし、あらかじめ対策をしておくことで防げるケースも多いのです。
マンションの屋上防水で、事前にチェックしておきたいポイントについて解説いたします。

防水表面の劣化状況

防水表面で劣化が進行している場合、台風の影響を大きく受けやすくなります。
おもにチェックしておきたい劣化症状について、防水の種類ごとに解説いたします。
・塗膜防水
塗膜防水は、ひび割れや膨れなどが発生していないかチェックします。
表面のトップコートだけの症状なら、トップコートを塗装し直すことで保護機能を高められます。
しかし、トップコート下層の防水層にまで劣化が進行しているなら台風の大雨で漏水する可能性も考慮する必要があります。
専門業者に相談のうえ必要な処置をとりましょう。

シート防水

シート防水は、結合部や端部に剥がれがないかチェックします。
劣化が進行すると防水材どうしをつなぎ合わせる結合部や貼り終わりなどの端部で剥がれが生じることがあります。
その隙間から強風が吹き込むと、場合によってはめくれ上がってしまうこともあるため注意が必要です。
また、雨水も侵入しやすくなり漏水の原因にもなることから、できるだけ早い補修が必要でしょう。

アスファルト防水

アスファルト防水は仕上げ方法によってもチェック項目が異なります。
露出工法の場合、シート結合部のひび割れや膨れなどが発生していないか、また押さえコンクリート仕上げの場合、ひび割れや破損などが発生していないかなどをチェックします。
これらも、どの程度進行しているかによってリスクの度合いは変わりますが、傷みが激しい場合は専門業者に相談のうえ必要な処置をとりましょう。

●排水口の周辺状況

排水口周辺にゴミなどがたまって詰まりなど排水不良があると、漏水を起こす重大な原因になります。
また長期間に渡って水がたまった状態が続くと、防水の劣化を促進したりドレンを腐食させて雨漏りを起こしたりすることがあります。
排水口周辺は、ゴミなどがたまらないよう定期的に掃除するよう心がけましょう。

まとめ

マンションの屋上防水は、劣化による傷みが進行していると台風など過酷な状況に耐えられなくなる可能性があります。
定期的に点検をして、必要に応じたメンテナンスをするようにしましょう。
とくに台風が来る可能性がある場合は必ずチェックしておき、危険な症状が見られるようなら専門業者に相談することをおすすめいたします。