外壁塗料の種類に「クリヤー塗料」というものがあります。
「クリヤー塗料」は透明であることが最大の特徴ですが、外観をそのまま残してメンテナンスをしたい場合などは大きな効果を発揮します。
しかし、その性質上使うことは適さないシーンもある点では注意が必要です。
今回は「クリヤー塗料」のメリットとデメリットについて解説したいと思います。
クリヤー塗料とは?
外壁塗装の塗料はおもに次の4つの成分によって構成されています。
・合成樹脂
・顔料
・添加剤
・溶剤
これら成分のうち塗料の色を決定するのが顔料ですが、この顔料を含んでいないものがクリヤー塗料です。
そしてクリヤー塗料は、他の一般的な塗料と同様に合成樹脂の種類によってグレードが変わります。
最もグレードが低い順番に、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素となり、近年では高耐久な無機系のクリヤー塗料なども登場しています。
塗膜の保護、そしてツヤだしなどがおもな用途になりますが、外観デザインを維持したまま劣化の抑制効果が期待できる点でもメンテナンスに適した塗料といえるでしょう。
クリヤー塗料のメリットとデメリットとは?
ここからはクリヤー塗料のメリットとデメリットについて解説いたします。
クリヤー塗料のメリット
・チョーキングの発生がない
・美しいツヤを出せる
外壁塗装の代表的な劣化症状として、表面にチョークの粉のようなものが付着するチョーキングがありますが、この現象は成分の顔料が劣化することが原因で起こります。
しかしクリヤー塗料は顔料を含まないため、チョーキング現象が起こることはありません。
またクリヤー塗料を塗ると美しいツヤを出すことが可能で、高級感のある仕上がりを実現できます。
ただし想像以上に強いツヤが出ることもあるため、ツヤの度合いについては事前の検討が必要になるでしょう。
クリヤー塗料のデメリット
・外壁によっては塗装できない
クリヤー塗料は外壁の状態によっては塗装に適さない場合があります。
それは劣化の進行が著しい外壁です。
クラックなどを補修せずに無色透明のクリヤー塗装をすると、元の状態がそのまま表面に現れます。
また補修したとしても、色ムラや周囲と微妙な色違いが残っている場合は、その状態が仕上がりに反映されてしまいます。
つまりクリヤー塗装をするのであれば劣化が軽い状態で実施することがポイントになるわけです。
もし劣化の進行が著しい場合はプロの塗装業者と相談のうえ、色の付いた塗料でメンテナンスをするとよいでしょう。
まとめ
お気に入りの外観デザインを長く維持したい場合など、早めにクリヤー塗料を塗っておくと劣化を抑制することが可能です。
またタイルなどはメンテナンスの必要がないと思われがちですが、経年とともにタイル表面は汚れ、目地部分や接着面などは必ず劣化します。
この場合でも汚れや目地部分の劣化を抑制することを目的として、クリヤー塗料を塗ることは効果的です。
シーンに合わせてクリヤー塗料を使ったメンテナンスを検討してみてはいかがでしょうか。